沖縄の仏壇 照屋漆器店 ── 時は変われど、変わらぬ想い
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沖縄には、本土では見られない独特の仏具がいくつかありますが、特に身近な仏具がヒラウコーですね。
移住者の方からは「どうやって使えばよいのか」「どうしてこの形をしているのか」などという声を聞きます。さらに、実際に使うときにはうまく割れなくて、苦戦すると言う方も。
御願の種類やお線香を拝する人(立場)などによってもその本数が変わるため、沖縄の人々でも何本供えれば良いかわからなくなることがあります。
ヒラウコーの数え方やお供えする方法など、基本的なことは知っておきたいですね。
日本で広く使用されている線香は、さまざまな香りや色がついているものが多いですよね。
沖縄のヒラウコーはあまり香りがしないのですが、それぞれの線香は原料に違いがあります。
過去には芋クズを使用したり、馬糞で作られていたこともありました。なかなかの臭いを放ちそうですね。昔は高価だった日本の線香の代わりに、沖縄独自の線香が作られたとも言われています。
線香に香りがついていないのは世界的にも珍しく、沖縄独自の文化といえます。
ヒラウコーと区別するために、沖縄では日本の線香に呼び名がついています。
ヒラウコーは漢字で書くと「平御香」で、6本が1組にくっついたような、平らな板状をしています。数え方は、一片(ひら)、二片ですが、ウチナーグチでは、チュヒラウコー(一片御香)などと呼ばれます。
ヒラウコーは御願の内容によって、呼び名や使う本数が変わります。
沖縄では「七」は「後生(あの世)と現世を繋ぐ」特別な数字として扱われてきました。故人の魂は「七つの役場」を通って、後生(あの世)へ向かいます。七役場への御願では「ナナフンウコー」で拝みます。
補足
恐れ祈願 お詫びする祈願
解き祈願 年末に祈願ごとを解く御願
下げ御願 一度お願いした祈願ごとをやめる御願
沖縄では線香の数え方だけでなく、供え方にも呼び名があります。
ヒラウコーは日常的に、二片を重ねた十二本で使われる場合が多いのですが「十二」の数字は、干支と関係しています。
干支は年齢や1年、日を表すことがありますね。ほかにも方角や場所を表しています。
ヒラウコーの十二本の煙は、過去・現在・未来の時空を超えて四方八方360度、すべての方向に向かって、自分の祈りや願いが届きますようにと言う意味が込められています。
そのほか、十二本を供える場合には、さまざまな意味があります。
ヒラウコーを供えるための香炉は、沖縄では「ウコール」と呼びます。
ヒヌカン(火の神)などに使う、白い香炉は「カミウコール(神御香炉)」呼び、
拝所(うがんじゅ)や御嶽(うたき)にあるものは「ウトゥーシウコール(御通し御香炉)」と呼ばれます。
また、沖縄のお仏壇で使われる香炉は、青色で中央に花の絵が描かれたものが多いですが、これは「グァンスウコール(元祖御香炉)」などと呼ばれてきました。
移住者の方にとってうまく割るのが難しいヒラウコー。
とくに湿気を含むと割れやすいので、保管場所には気をつけましょう。
もし割れてしまったり欠けている場合は使わずに処分します。
その場合、そのまま捨てると「線香」の意味をもったままなので、さらに半分に折り「ゴミ」として処分するのがベストです。
文化やしきたりにとらわれすぎて、線香を供える度に何本だろうかと考えるのも疲れるもの。何よりも大切なのはご先祖様を思う気持ちですよね。
近年では、住環境の変化により、小さなお仏壇を置く家も増えてきました。それに伴い1本で済ませられる、日本の線香を供える家庭も増えています。
照屋漆器漆器でも、さまざまな香りや色のついた線香を取り扱っております。ぜひ店頭にてさまざまな線香に触れてみてはいかがでしょうか。気になることがございましたら、ぜひお気軽にスタッフまでお問い合わせください。