お役立ちコラム

沖縄仏壇に飾る花はなにがいい?定番の花から飾るときのマナーまで詳しく解説

沖縄の温暖な気候と鮮やかな風土が育む南国の花々は、仏壇を彩る供花に特別な彩りを添えます。

本記事では、仏壇に飾る定番の花の紹介から沖縄らしい花まで、おすすめの花のポイントをご紹介していきます。

さらに、沖縄仏壇への花の飾り方や、行事別の対応方法、飾ってはいけない花の理由など、詳しく解説していきます。

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仏壇に花を飾る目的

仏壇に花を飾る行為には、以下のような意味があります。

  • 供養の心を形にする:故人やご先祖への尊敬と感謝を示す
  • 仏教的世界観の表現:はかなさがいのちの尊さを改めて感じさせる
  • 清浄で厳かな空間演出:生花の香り・色彩で空間を清める
  • 心身への穏やかな効果:自然の息吹が祈りや瞑想を深める

このように、仏壇の花は単なる飾りではなく、「供養」「無常観」「清浄」「心の安定」といった仏教の教えや、日常の祈りを豊かにする役割を担っています。

単に花を供えるといっても、上記の目的に沿った花を選び、飾っていく必要があると認識しておきましょう。

仏壇におすすめの定番の花

仏壇に飾る定番の花には、故人への供養の心を込めつつ、長持ちしやすく取り扱いが比較的容易なものが多く選ばれます。代表的なものをいくつかご紹介します。

花名特徴・扱い方
水揚げしやすい反面、花弁が散りやすいのでこまめに掃除を
リンドウ花器の形状に合わせて曲げながらいけると美しく見える
スターチス花びらが細かいため散った花が気になる場合は花器の下に受け皿を置く
トルコキキョウ茎が細いので、他の花と一緒にいけるとバランスがとりやすい
ヒマワリ花粉が多い品種は避けたほうが良い
カーネーション茎が太く吸水性も良いため、切り戻しを兼ねた水替えだけで十分長持ちする
ミソハギ花器の口径に合わせて数本ずつまとめていけると安定感が出る
アルストロメリア吸水量が多いので、水替えは頻繁に行い、花器は清潔に

花がどのくらい長持ちするかや、手入れのしやすさ、色合いなどを意識して花を選んでいきましょう。

特に、白や淡色系で統一すると、落ち着きと清浄感が高まるのでおすすめです。

また花器とのバランスを考慮して、細身の花器にはトルコキキョウやリンドウを、幅広の花器には菊やスプレーマムを配置すると安定感が得られます。

これらの定番の花を季節や故人のイメージに合わせて組み合わせることで、仏壇にふさわしい清らかで厳かな空間を演出できるでしょう。

【沖縄仏壇向け】南国らしさを演出する草花

華やかな沖縄仏壇をお持ちの場合は、沖縄の気候や南国らしさを象徴する草花を飾ることもおすすめです。以下の4種類を検討してみてください。

花名特徴・扱い方
ハイビスカス花は一日花のため、開花したら毎朝新鮮なものに取り替える
チャーギ(イヌマキ)緑が長持ちする、枝を3本組で飾ることが多い
マサキ厚みのある緑葉が美しく、葉先が丸いものほど高品質
アンスリウムクラシックな赤のほか、ピンク、白、緑など多彩

仏壇におすすめの定番の花とともに、これらの草花を組み合わせることで、沖縄らしい鮮やかな色彩とともに、供養の場にふさわしい厳かな雰囲気を演出できます。

仏壇に飾ってはいけない花

仏壇に飾るおすすめの花がある一方で、使用に適していない花も存在します。ここで取り上げた項目に該当する花は仏壇に供えないようにしましょう。

ドライフラワー

ドライフラワーは枯れた状態で保存された花ですが、仏壇には不向きです。

色あせた状態であるうえ、花びらが落ちやすく、掃除が行き届かないと埃やゴミが目立ちやすくなります。

また「枯れたまま保存する」という性質が、生者と死者の間に流れる〈いのち〉や季節の移ろいを尊ぶ仏教の精神にそぐわないとされます。

さらに湿気や直射日光で劣化すると見た目が崩れ、不敬とも受け取られかねません。

お墓参りで持ち帰った花の使いまわし

お墓参りで一度使用した花は、既に日光や風雨にさらされ、水揚げも不十分になっています。再度仏壇に飾ると傷みやすく、枯れ落ちた花びらや香りの弱まりが目立ち、見た目と清浄感を損ないかねません。

また、故人やご先祖への敬意として、一度供えたものを再利用することは供養の心情にもそぐわないとされています。

お墓に供えた当日に持ち帰ったとしても使いまわさないようにしましょう。

鉢植えの花

鉢植えの花は地中の土や根ごと持ち込むため、虫や微生物が混入しやすく、仏壇内の清浄さを損ねるリスクがあります。

また、水やりや肥料管理が必要で、仏前で定期的に手入れを行うことが現実的でない場合、枯れた状態で放置されやすく、見た目にも供養の場にふさわしくなくなります。

花器としての扱いやすさを優先するなら切り花の方が適切でしょう。

トゲや毒のある花

バラやアザミなどトゲを持つ花、また毒性を含むキョウチクトウなどは、仏壇に向かないとされています。

扱う際に手を傷つける恐れがあり、尊い手で供える仏具や位牌を傷つけるリスクも高まります。

さらに毒性のある成分が揮発したり、触れることでケガや中毒事故を引き起こす可能性もあるため、仏前という清浄で安全な空間を守るために避けるのが望ましいでしょう。

香りが強い花

ジャスミンやユリ、チューリップの一部品種など強い香りを放つ花は、仏壇に飾るのは慎重に判断しましょう。

強烈な香りは線香やお香の香りと混ざり合う可能性があるほか、香りが揮発しやすいため、密閉性の高い仏壇内部ではこもりやすく、アレルギーを誘発する恐れもあります。

仏前ではお香や線香の香りを尊重し、花の香りは控えめなものを選ぶのが礼儀です。

花粉が多い花

スズランやヒマワリなど仏壇に適した花であっても、花粉を大量に落とす花は不向きです。

花粉は仏具や位牌、供物に付着して掃除が非常に困難になるうえ、仏壇周りが不潔に見えやすくなります。

さらに花粉アレルギーのある参拝者には健康被害を及ぼす可能性もあるため、常に清浄な空間を保つ仏壇の性質と相いれません。

花粉の少ない、あるいは無花粉の品種を選ぶ配慮が大切です。

沖縄仏壇の花の飾り方

沖縄の仏壇における花の飾り方には、故人への敬意を示すための細やかな作法があります。ここではとくに重要な3つのポイントを解説します。

仏壇に供える花の数は奇数本が一般的

仏壇に供える花は、古来より奇数を用いる慣習があります。奇数は「割り切れない」数字としてこの世とあの世をつなぐ縁起の良さを象徴し、3本、5本、7本といった本数で故人への敬意や清浄さを表現します。

特に小さな仏壇では3~5本が扱いやすく、華やかすぎず静謐な印象を保てるので意識しましょう。

また法要や家族が集う大切な場面では、7本や9本を用いることで規模感と祈りの強さを増し、故人の冥福をより深く願う形となります。

左右一対に飾る

仏壇の花は必ず左右に一対で飾ることで、空間に調和と安定感をもたらします。

中央に位牌や仏像を据え、その両脇に同じ花器と同じ本数の花を配置することで、左右対称の美しさが際立ち、視覚的にも心象的にもバランスが保たれます。

花の向きや茎の長さ、高さにわずかな変化を加えると、自然な「動き」が生まれ、堅苦しさを和らげつつも礼儀を損なわないおもてなしの空間を演出できるのでおすすめです。

5色か6色でまとめる

沖縄の仏壇では、花の色彩も非常に重要視され、五大(地・水・火・風・空)を象徴する青・黄・赤・白・紫の五色か、そこに緑を加えた六色でまとめるのが定番です。

五色はそれぞれ純粋さや清浄、活力、高貴さを表し、緑は成長や再生の象徴として加わります。

花材を色別にレイヤー状に重ね、中央への視線誘導を意識しながら、アクセントカラーになる花を配置すると、生命力と繁栄への祈りが込められた華やかな供花が完成します。

日々の水替えや季節感を大切にしながら、故人への想いを色彩で伝えましょう。

【行事別】沖縄仏壇に飾る花の違い

特別な場面においては、仏壇に飾る花や供え方を意識しましょう。

四十九日までは白基調の花が多い

沖縄を含む日本の仏教では、故人が成仏への旅路にあるとされる「中陰(ちゅういん)」の期間が四十九日まで続きます。

この間、仏壇にお供えする花は清浄さと無垢を象徴する白を基調に選ぶのが伝統です。

「無垢」「清浄」「悲しみの色」を意味する白は、死者の魂を邪気から守り、穢れを払うと考えられます。

代表的な花材は菊やユリで、仏花の定番であり、長持ちしやすく季節を問わず手に入りやすいのが特徴です。

その他、スプレーマムやスプレーカーネーションなど、白系のボリュームを出せる切り花が好まれます。

葉ものは最小限に抑え、白い花だけで統一感を持たせることで、祈りの場を静謐に保ちましょう。

旧盆やスーコー(焼香)では豪華に飾る

沖縄独特の行事である旧盆(ウークイ)や、年忌法要の中でも特に盛大に行われるスーコー(焼香)では、故人の霊を「招く」「もてなす」という意味合いから、仏壇の花飾りも華やかに彩られます。

豪華に飾る理由としては、主に以下の2つです。

  • 地元の鮮やかな花々で仏壇を彩ることで、祖霊への敬意と歓待の意を示す
  • 沖縄は台風や強い日差しにも耐える花が多く、力強い色彩が豊穣と繁栄を象徴する

主な花材としては、沖縄の風土によく合うブーゲンビリアやハイビスカス、グラジオラスやグズマニアなどがおすすめです。

旧盆やスーコーでは白一辺倒ではなく、沖縄の風土と祖先供養の精神を反映した色とりどりの花飾りで、先祖を心から歓待するのが慣習となっています。

沖縄仏壇に飾る花についてよくある質問

Q.仏壇に造花を飾ってもいいですか?

正式には「いのち」を象徴する生花が望ましいものの、忙しさやアレルギー対策で高品質な造花を用いる例も増えています。

ただし、ほこりがたまりやすいので定期的に掃除し、あまり安価でチープなものは避けるのがマナーです。礼を尽くす気持ちを持って選べば、造花の使用も許容されます。

Q.仏壇のサイズが小さいとき、どんな花を選べばいいですか?

コンパクトな一輪挿しタイプの花瓶を使うことで、少量の花でもバランス良く飾れます。

小ぶりな蘭やアンスリウム、ビルベルギア・ヌタンスなど、丈が短めで茎がしっかりした草花が扱いやすいです。

Q.沖縄仏壇に飾る花はどこで購入できますか?

沖縄各地には仏壇用の花材を扱う専門店から、手軽に手に入るお店までさまざまな選択肢があります。

基本的には地元の花屋やホームセンターなどで購入できますが、沖縄の花屋が運営する通販サイト、あるいは全国配送に対応した大手EC(Amazon・楽天市場など)で仏花を検索すれば、地方発送のプランが見つかります。

沖縄仏壇なら照屋漆器店へ

沖縄仏壇には、先祖への感謝を込めた供花として、季節感や南国らしさを取り入れた生花を取り入れると華やかになります。

供えてはいけない花を理解し、行事別のアレンジや花言葉・仏教的象徴を押さえ、清浄で心安らぐ供養空間を整えましょう。

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